持ち家と賃貸、あなたはどちらを選ぶ?
なぜ山梨県では「持ち家」が主流なのか?
住宅を検討する際、「持ち家」と言っても、その種類はさまざまです。中でも山梨県では、新築の一戸建て注文住宅が特に人気を集めています。令和5年住宅・土地統計調査によると、山梨県内で空き家を除いた住宅のうち、持ち家は72.2%(231,100戸)を占めています。さらにその持ち家のうち、97.0%(224,200戸)が一戸建て住宅という結果になっています。
総住宅数に占める持ち家と賃貸の比率(空き家を除く)
総住宅数:320,100戸のうち
| 住宅の所有の関係 | 住宅数(戸) | 割合 |
|---|---|---|
| 持ち家 | 231,100 | 72.2% |
| 賃貸 | 89,000 | 27.8% |
持ち家の建て方別戸数とその割合
持ち家総数:231,100戸のうち
| 住宅の建て方 | 住宅数(戸) | 割合 |
|---|---|---|
| 一戸建 | 224,200 | 97.0% |
| 長屋建 | 300 | 0.1% |
| 共同住宅 | 6,200 | 2.7% |
| その他 | 300 | 0.1% |
地方で「持ち家」が選ばれる背景には、いくつかの理由があります。まず第一に、土地価格が比較的安価であることが挙げられます。また、広い敷地を確保しやすいため、車社会において必須の駐車スペースを確保しやすいという利点もあります。
加えて、賃貸住宅の数や質が限られていることも、「持ち家」が選ばれる一因となっています。実際、令和5年住宅・土地統計調査によると、2001年から2020年の20年間に山梨県で建築された持ち家74,900戸のうち、二重以上のサッシまたは複層ガラスの窓を備えた住宅は73.4%にのぼります。
一方、同期間に建築された賃貸住宅34,100戸では、わずか26.1%にとどまっています。
二重サッシまたは複層ガラスの窓を備えた住宅:持ち家
持ち家件数:74,900戸のうち(2001年から2020年の20年間に山梨県で建築)
| 住宅数(戸) | 割合 | |
|---|---|---|
| 二重以上のサッシまたは複層ガラスの窓を備えている住宅(一部の窓の場合を含む) | 39,600 | 52.87% |
| 15,400 | 20.56% | |
| 二重以上のサッシまたは複層ガラスの窓を備えていない住宅 | 19,900 | 26.57% |
二重サッシまたは複層ガラスの窓を備えた住宅:賃貸
賃貸の件数:34,100戸のうち(2001年から2020年の20年間に山梨県で建築)
| 住宅数(戸) | 割合 | |
|---|---|---|
| 二重以上のサッシまたは複層ガラスの窓を備えている住宅(一部の窓の場合を含む) | 5,200 | 15.25% |
| 3,700 | 10.85% | |
| 二重以上のサッシまたは複層ガラスの窓を備えていない住宅 | 25,200 | 73.90% |
このような差が生じる背景には、賃貸住宅のオーナーが初期投資(建築費)を抑えつつ、周辺の家賃相場に見合った収益を確保しようとする傾向があります。そのため、賃貸住宅では設備や性能の向上が後回しになりやすいという実態があります。
特に、高断熱・高気密などの高性能住宅は、入居者にとって光熱費の削減や健康面でのメリットが大きい一方、建築費を負担するオーナーにとっては直接的な利益につながりにくいという特徴があります。このような「利益相反」が、賃貸住宅の質の向上を妨げている要因といえます。
こうした状況を踏まえると、山梨県で住宅を選ぶ際には、まず持ち家という選択肢を優先して検討することが、より快適で質の高い暮らしにつながると言えるかもしれません。
「持ち家」のメリット・デメリット
ここでは、「持ち家」と「賃貸」それぞれのメリット・デメリットをわかりやすく整理してみましょう。
メリット
| 項目 | 持ち家 | 賃貸 |
|---|---|---|
| 資産性 | 資産として残り、売却や賃貸運用も可能。 | ー |
| イニシャルコスト (初期費用) | 補助金や税制優遇が利用できる場合がある。 | 敷金・礼金などで、購入に比べ初期費用を抑えやすい。 |
| ランニングコスト (維持費用) | 家賃が不要で、家賃の値上げの心配がない。 | メンテナンス費用は原則オーナー負担。固定資産税も不要。 |
| ライフスタイルの自由度 | リフォーム・DIY・ペット飼育など制約が少ない。 | 転勤・離婚・家族構成の変化による住み替えに対応しやすい。 |
| 住宅の質 | 希望に合った質の高い住宅を選べる。 | ー |
| その他 | 住宅ローンの金利は他の借入より低い場合が多い。 | 住宅ローンを抱える必要がない。 |
デメリット
| 項目 | 持ち家 | 賃貸 |
|---|---|---|
| 資産性 | 資産価値の下落リスク、立地により売却が困難な場合も。 | 家賃を払い続けても資産として残らない。 |
| イニシャルコスト (初期費用) | 頭金・諸費用など賃貸より高額になりがち。 | 更新料が定期的(一般的に2年ごと)に必要な場合がある。 |
| ランニングコスト (維持費用) | メンテナンス費用や固定資産税が発生。 | 家賃の値上げリスクがある。 |
| ライフスタイルの自由度 | 転勤・離婚・家族構成の変化による住み替えに対応しづらい。 | リフォーム・DIY・ペットなど制約が多い。 |
| 住宅の質 | 質の高い住宅ほど高額になりやすい。 | 設備・性能が持ち家ほど高くない場合が多い。 |
| その他 | 住宅ローン返済が家計に負担となるリスク。 | 長期的に見ると支出総額が大きくなりやすい。 |
「持ち家」を選ぶ際に気をつけたいポイント
「持ち家」には多くのメリットがありますが、一方でデメリットへの対策を事前に考えておくことが重要です。ここでは、「持ち家」を選ぶ際にチェックしておきたいポイントを整理します。
土地探しは将来性も重視する
利便性の高い土地を選ぶことはもちろん、街の人口動向・都市計画・道路整備の予定など、将来的な価値にも目を向けることが大切です。
数十年後の生活イメージを見据えた土地選びが、資産価値の維持にもつながります。
メンテナンス費用を見越した資金計画を立てる
住宅は建てたら終わりではなく、壁・屋根の塗り替え、設備更新などの維持費が必ず発生します。
- 建材・設備の耐用年数
- ハウスメーカーの保証制度(延長保証など)の仕組み
によって必要な費用は大きく変わるため、事前に把握し、長期的な資金計画に組み込むことが重要です。
ライフステージに合わせた設計を意識する
子どもの成長や家族構成の変化に合わせて、間取りを柔軟に変更できる設計を検討すると安心です。 さらに、将来的に必要となるかもしれないバリアフリー対応や、子どもが巣立った後の部屋の使い方など、長期的視点で住まいの計画を立てましょう。
高性能住宅のコストと効果を正しく理解する
高断熱・高気密などの高性能住宅は、初期費用が高くなる傾向があります。
しかし、
- 光熱費の削減
- 住環境の快適性向上
- 健康への好影響
など、長期的には生活コストの低減や豊かな暮らしに直結するメリットがあります。
初期コストだけではなく、生涯コスト(トータルコスト)で考える視点が大切です。
まとめ
山梨県で「持ち家」が主流となっている背景には、土地価格の特性や生活スタイル、賃貸住宅の数や質の課題など、さまざまな要因があります。
持ち家には多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。しかし、それらを事前に理解し、適切に対策を講じることで、より快適で安心できる暮らしを実現することができます。
住まい選びは人生において大きな決断です。自分や家族のライフスタイル、将来の暮らし方をしっかりイメージしながら、「持ち家」か「賃貸」かをじっくり検討することが大切です。