山梨県で考える、持ち家の選択肢
-新築・中古・実家リノベ-
「家を持ちたいけれど、まず何から考えればいいの?」
「新築と中古、どっちが自分に合っているんだろう?」
住まいの取得方法は一つではありません。新築住宅を建てる、中古住宅を買う、相続した実家に住み替えるなど、選択肢はさまざまです。それぞれにメリット・デメリットがあり、自分のライフスタイルや価値観に合った選択ができるかどうかが、満足度の高い住まいづくりのカギになります。
近年では、親世代から受け継いだ家を現代の暮らしに合わせて生まれ変わらせるリノベーション、いわゆる「実家リノベ」にも注目が集まっています。
この記事では、主な住まいの選択肢を分かりやすく整理し、後悔しない住まい選びのために押さえておきたいポイントを紹介します。
新築住宅:安心と快適性
新築住宅の最大の魅力は、最新の技術や設備を取り入れた快適で安全な住環境を、ゼロから設計できる点にあります。高い耐震性や省エネ性能を備えた住宅は、将来的な光熱費や修繕費の負担を抑えられるため、長期的な安心につながります。
近年は、地元工務店やハウスメーカーが手掛ける高性能な「長期優良住宅」や「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)」が普及し、気候変動や自然災害への備えとしても注目されています。これらの住宅は、快適性と環境負荷の軽減(ランニングコストの削減)の両立を実現する住まいとして、関心がますます高まっています。
さらに、新築であれば間取りやデザインを自由に決められるため、家族構成や将来のライフプランに合わせた唯一の住まいをつくることができます。そのため、満足度の高い暮らしを実現しやすく、住まい選びの基本として「新築住宅」は理想を形にしやすい有力な選択肢と言えるでしょう。
中古住宅:コストメリットと注意点
中古住宅の大きな魅力は、比較的低コストで住まいを取得できる点です。築年数や立地、設備状況によって価格は大きく変動しますが、山梨県内では平均取得費用が約2,000万円と、新築住宅の半額以下で購入できるケースもあります。また、すでに建物が存在するため、間取りや日当たり、周辺環境を実際に確認しながら選べる点もメリットです。
一方で、中古住宅には注意すべき点も少なくありません。内外装がリフォームされていても、壁の中や床下など目に見えない部分に劣化が潜んでいる可能性があります。購入前には、第三者の専門家によるインスペクション(建物状況調査)を実施し、構造・設備の状態を詳細にチェックすることが重要です。特に、耐震性の不足、屋根・外壁の劣化、断熱・気密性能の低さ、水回り設備の老朽化などは、将来的な修繕リスクにつながります。
さらに、近年は政府のカーボンニュートラル推進により、新築住宅の断熱・気密性能が10年前と比べて大幅に向上しています。そのため新築住宅は快適性が高く、光熱費を抑える効果も年々大きくなっています。中古住宅を検討する際には、初期費用の安さだけでなく、住宅性能や将来のランニングコストも踏まえて比較することが大切です。
実家リノベ:愛着ある家を次世代へ
親の家を受け継ぎ、現代の基準に合わせて改修する「実家リノベ」は、土地取得費が不要な分、コストを抑えながら快適な住まいを実現できる選択肢です。耐震性や断熱性を大幅に向上させ、現代のライフスタイルに合わせた間取りへ変更することで、新築住宅と同等の快適性を目指すことも可能になります。また、思い出の詰まった家や地域とのつながりを受け継ぐことができる点も、大きな魅力です。
ただし、築年数が古い住宅では、基礎や構造部分に補強が必要となる場合があり、改修費用が高額になるケースもあります。事前に建物の状態をしっかりと確認したうえで、リノベーションの範囲や予算を明確にしておくことが重要です。
新築住宅と中古住宅の初期費用の比較
2024年度 フラット35利用者調査(取得費用の平均)
都道府県別の取得費用の比較
| 新築(戸建て) | 中古(戸建て) | |||
|---|---|---|---|---|
| 土地付注文住宅 | 注文住宅 | 建売住宅 | ||
| 東京都 | 7,308万円 | 4,866万円 | 5,458万円 | 4,743万円 |
| 山梨県 | 4,487万円 | 4,292万円 | 2,941万円 | 1,940万円 |
2024年度 フラット35利用者調査(土地付注文住宅の平均)
土地付注文住宅の内訳比較
| 区分 | 建設費 | 土地取得費 | 住宅面積 | 敷地面積 |
|---|---|---|---|---|
| 東京都 | 3,469万円 | 3,838万円 | 104.0㎡ | 125.0㎡ |
| 山梨県 | 3,620万円 | 867万円 | 114.6㎡ | 343.9㎡ |
用語解説
- 注文住宅
施主(家を建てる人)が設計・仕様を自由に決められる住宅。建物単体の価格が比較対象となる。 - 建売住宅
すでに建築済みの状態で販売される住宅。土地と建物がセットで販売されることが多い。
2024年度のフラット35利用者調査からは、東京都と山梨県で住宅取得費用に大きな差があることが分かります。山梨県では、新築・中古・建売いずれの場合も取得費用が抑えられており、その主な要因は土地取得費の低さにあります。
土地付き注文住宅では、山梨県の平均敷地面積は東京都の約3倍にあたる広さがある一方、土地取得費は約4分の1程度に抑えられています。このため、山梨県では同じ総予算でも、住宅そのものの性能や質にしっかりとお金をかけやすいという特徴があります。
建売住宅や中古住宅の価格差についても、建物の違いというより、土地価格の差が大きく影響していると考えられます。つまり、山梨県では価格の安さだけでなく、住まいの「中身」を重視した選択がしやすい環境にあると言えるでしょう。
こうした地域特性を踏まえると、住まい選びでは初期費用の比較だけでなく、その先の暮らしや性能、将来の活かし方まで見据えることが重要になってきます。
住まい選びの「その先」を見据えて
住まい選びは人生の重要な決断の一つです。新築・中古・実家リノベ、それぞれの特徴を理解し、自分や家族の将来を見据えて選ぶことで、長く快適に暮らせる住まいが手に入ります。
特に寒暖差の大きい山梨県の気候では、目先の価格だけでなく、断熱・気密性や耐久性能といった「長く快適に暮らせる性能」にも注目することが重要です。
また、住まいを資産としてどう活かすか、次世代へどう繋いでいくかという視点も忘れてはいけません。将来の売却・賃貸・相続を見越した選択は、暮らしの安心にも直結します。
ゆっくり時間をかけて情報を集め、専門家の意見も取り入れながら、自分らしい住まいのかたちを見つけてください。